2015年 02月 18日
スイングアームのガタその4 |
前回対応法をとか書きましたが対応もクソもなくオーバーサイズが存在するという事は修理と言ったらアレですよ、エンジンクレードルのスイングアームスピンドルが嵌る穴を軸に合わせて広げる奴しか無い訳で。
今回オーバーサイズへ穴側を広げるに当たって軸との嵌め合いは0から+0.01㍉の弱圧入を目標にする事にしました。
以前書いたように本来は強圧入をしたいところですがコマンドのクレードル側の肉厚は3.2㍉程度なので強圧入は無理でしょう。しかも強圧入だと中央のネジの位置が出無いでしょうし。
穴の現状は減っていない所が22.30㍉、末端部の広がっている所が22.38なので1オーバー22.34だと末端部が埋まり切りません。
その他殆どが圧入になっていれば問題ないのでしょうがやっぱりちょっと気持ちが悪い。折角直すならきっちり直したいというのが人情。
結局1オーバーは諦めて2オーバーで行く事にしました。
おそらく2オーバーで弱圧入をきっちり出来ればおそらくはそれで十分かと思いますがちょっと面白い対策法を発見したので併せてそれもやってみる事に。
その対策がこちら
http://www.doov.com/apps/nortoncompanion/index.php?option=com_content&view=article&id=4:swingarm-spindle&catid=1:upgrades&Itemid=8
http://www.nortons.dk/doc/swingarmfix.pdf
要約するとシャフトカラー、日本ではセパレートカラーと呼ばれる分割のカラーを使いコッターピン固定用の平面をこのセパレートカラーから押してガタを殺そうというアイディアです。
これをブチ込めば当然Mk3のコッターピンにはかないませんがこれと同等の効果を得られると思いサイトを参考にやってみました。
本来ガタのあるスピンドルを弱圧入にしてガタを極力無くし更に弱くともMk3のコッターピン固定と同様にスピンドルを一方向へ押しつけられればMk2以前のコマンドでもMk3のコッターピン固定と遜色無い程にスピンドルを固定できるでしょう。
Mk2以前のスピンドルとMk3のスピンドルは長さが違います。
つまり本来であればMk2以前用のスピンドルにコッターピン固定用の平面加工は必要ないのですが最近出回ってるスピンドルは大抵平面加工をしてあります。
これは最近生産されているエンジンクレードルにMk2以前のガタが出るという弱点を対策する為Mk2以前のスイングアームが付いてスピンドルをMk3と同じコッターピン固定をするための加工をしてあるエンジンクレードルがあって、それに対応する為のようです。
取り寄せた2オーバースピンドルにも平面が切ってありましたので此処をセパレートカラーで押して一方向に抑えつけます。
先ずエンジンクレードルのスイングアーム取り付けパイプの外形にあったセパレートカラーを物色するも発見できません。
日本で出回っているセパレートカラーは配管の規格用に出回っているのでコマンドで必要な内径のサイズ1-1/8インチ(28.575㍉)は探し出せませんでした。
仕方がないので近いサイズを自前で加工して使用する事に。こちらを購入し加工しました。
http://www.monotaro.com/p/3774/8426/?displayId=5
このシャフトカラー内径を旋盤で広げ、スピンドルを押すネジを固定する為の平面をフライスで加工しました。残念ながらこの時はブログを始めようとは思わなかったので写真は無いです。
写真があっても退屈な事この上ないのでまあ良いでしょう。あとはクレードル側に穴を開けて完成です。
穴を開けたクレードル。中央の止めネジから7時の方向に開けるとかかなりザックリな説明通り開けましたがあまり小さいときっちりスピンドル平面に対してシャフトカラーから伸びたネジが直角に押さないだろ、って事で楕円に広げました。
ちなみに当方はレストア時に再塗装等で綺麗にしよう、という発想がないのでこのまま使用しています。
もう一個小変更。此処には本来頭が2BA位のサイズの小さいボルト(頭は2BA程度のサイズでもネジ自体は1/4の28山という特殊なボルト)が付いてそれを取り外し此処から150番のギアオイルを入れます。それが意外に面倒で上手くオイルを入れるにはシリンジ等が必要で結果殆どのオーナーが元々こういった機構がなかった、という事にします。
オイルを差すのがめんどい上にスイングアームのピポッド内部はOリング等でシーリングはしてありますが完全密閉というには取り付け面の状態がアレだったりするので此処はジワジワ漏れると考えて簡単にオイルが差せるようオイルカップを付けました。これは市販品ではなく90度曲がりのグリスニップルと手持ちのオイルカップを合体して作成。
水飴のようなギアオイルの自然落下に頼るので反対側のフラットな蓋には空気抜きの穴を開けました。多分空気抜きを開けておかないと全然落ちないと思われます。
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by flattank
| 2015-02-18 20:56
| 車体