2015年 03月 01日
アマルMk1シングルキャブ化その3 |
到着したアマルMk1用シングルマニフォールド、梱包を解いて手にして眺め数分後にもの凄いノスタルジーに浸りました。
あーそうそう英国製のパーツってこんな感じたったよね、と。
コマンドの場合トライアンフの英国製パーツとは一線どころか二線三線を画す程に高品質なパーツが普通に手に入るので忘れてましたがトライアンフパーツでは度々このマニフォールドが放つ、小学生が見ても駄目出しされそうな雰囲気を多分に放っている事が度々あったな、という事を思い出しました。
予め断っておきますがRGMは私もメインで利用するしっかりとしたショップでカスタマーサポートはほぼ完璧、扱っているパーツにも基本は問題があるようなショップではありません。このマニフォールド以外のRGMオリジナルパーツも問題の無い物が殆どと思っています。
ともあれ十数年ぶりにバイク屋時代に散々味わったあの英国クオリティーを目の当たりにし、或る意味感動してしまいました。
さて到着したマニフォールドの何が英国クオリティーだったのかというと先ず全体的に加工が荒くポート穴出口付近の2つの穴がガタガタで本来32㍉の真円で無いといけない所が部分的に33㍉になったり34㍉になっている所。
たぶんケガキも入れず適当にリューターで削ったのでしょう。
マニフォールド内にこう言った段差が出来ると混合気が乱されたり其処に生ガスが溜まり易くなりキャブセッティング不調の原因になるといわれています。ポート穴はなるべく段差を付けないようにするのがセオリーです。
とは言え付けるのがアマルMk1なので多少段があってもそんなのよりももっと他に見るべき点があるだろ、てな感じですが。
ポート穴が歪である位で済むならまだ使う気も出るのですが何よりまずいのが取り付け用に空いている4つの穴の内、内側2つの穴の座面未処理です。
つまり内側2つの取り付けは穴自体は空いていますが型から抜いたまま何の座面加工もされていないのでオネジが座る為の座面が全く出ていません。斜めのままです。
試しにそのままの状態でシリンダーヘッドに軽く締めてみましたがネジ穴周辺の一番高い所が僅かに一点当たっただけの状態が確認できました。
ネジが正しく締まる為にはしっかりと切られた螺旋状のメネジと必ずオネジが止まる為のネジ座面が必要です。
ネジ座面が一定以上に確保できなければオネジを締めて一応ネジが止まったとしてもネジは正しく締まっているとは言えません。この状態は家具の固定等に使われる突っ張り棒の2点の突っ張り点の一方が小さな点でのみ当たって突っ張っているのと同じ様な状況と言えます。
しかもマニフォールド内というかなりリスクの高い位置にあるオネジの座面がこれでは到底そのままでは使えません。
こんな状態なら元々穴あけをしないで内側の止めは無いよ、と言ってくれた方が余程親切です。
更にこのマニフォールド、長さが純正マニフォールドよりも数㍉長いので純正エアクリーナーのフロントパネルとの距離が1㍉程度しかなくキャブとエアフィルターを接続する為の純正蛇腹ゴムがどう考えても付きません。
これはどういう事なのか?と疑問が湧いたので調べてみたらRGMには純正の半分位の厚みしかないショートタイプのエアクリーナーが売っています。
つまりこのマニフォールドを付けて純正タイプのエアクリーナーを付けたければこの厚みが純正の半分位しかないエアクリーナーと外枠も併せて買ってね、という事であると判りました。
いや、そんなセコイパーツを付けるくらいなら一層の事K&Nとかトラのパンケーキ型エアフィルターを付けますよ、と言いたくなりました・・・
こんな状態のマニフォールドを手に一瞬捨ててやろうか、とすら思いましたが思い留まり対策を施して使用する事を決意。
当作業場備え付けの機械をフル稼働して加工する事に。
RGM MOTORS ENGLANDの浮き文字が眩しいマニフォールド。
こうしてみると問題はないのですが・・
問題のポート出口。左はまだましですが右はかなり歪なのがこの写真でも判ります。
削る前にちゃんとケガキを入れればこれほど歪にならないと思うのですが。
更に問題の内側ネジの座面。
この写真は既に対策を施しており座面を取ってありますが元々は何の加工もしてありません。
座面が未加工の理由は入口側のキャブ取り付け口がコマンドのエンジン斜傾に合わせて曲がっており真っすぐカッターを入れられない為と思われます。
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by flattank
| 2015-03-01 20:01
| エンジン