今回は地味にメーターのお話です。
英国車のメーターと言えばスミスな訳ですが英車オーナーならご存知の通り良くブっ壊れます。
正直昔のクロノメトリックより新しいマグネティックの方が壊れる気がするのですが気のせいでしょうか・・・。
メーターなぞ無くても走るのには支障は無いと言えば無いのですが走行時の時速表示は勿論ガソリン給油やオイル交換のタイミングを計ったり、点火時期調整の為に回転数を知る用途など無いとそれはそれで微妙に困ります。
またコマンドになると2年に一回車検がありますのでタコメーターは無くても可ですがしっかり動くスピードメーターが付いているというのは基本必須と言えば必須となります。
まあヤバイ状態のメーターやテンプラメーターで無理矢理車検を通した経験や話は山程ありますがw。
私のコマンドには純正のスミスメーターが純正のメーターホルダーと共に付いていました。
入手時からスピードメーターの動きがちょっと怪しかったのですが数千キロ走って本格的に終了。どれだけスピードを出しても針が30マイル以上上がらなくなりました。
この時点での選択肢は2つ、壊れたスミスメーターを修理するか代替品のメーターに換装するかです。
スミスメーターの修理は国内でも受け付けてくれるショップは数店ありますが修理して数年で再び終了というパターンを嫌という程見てきました。
修理費がそれなりに掛る上に簡単にブっ壊れるスミスメーター・・・正直恰好は良いのですが・・・。
と言う訳で元々付いていたスピードメーターは一応仕事をアヤシイながらしているタコメーターと共にガラクタ箱行き決定、新たに現在生産している代替品のメーターを購入する事に。
RGMで探してみると通常の代替メーターは問屋のワッセルが台湾辺りで作らせてると思われるスミスマグネティックメーター初期のグレーフェイスのレプリカ品と70年代のトラ等で偶に見かける後期デザインのブラックフェイスの2種類のようです。
次にebayで探してみるとインド製のかなり怪しいスミスのレプリカ品が思わず"buy it now"したくなる程にお安い値段でザクザク出てきます。
しかも微妙にデザインが違う上に普通にSMITHSと書いちゃってますが大丈夫なんでしょうかね?法律的にw
一般的なワイヤー駆動のレプリカメーターの他、最近ではアナログなワイヤー駆動を使わないデジタルメーターも出回っています。
RGMでも謎なメーカーが作っているデジタルメーターが置いてあり、説明書き等から察するにGPSを使って速度や走行距離を表示する物のようです。
アイディアは良いと思うのですがGPSを使うという事は車検の時に車輪だけがテストローラー上で回ってもメーターが反応しないと思われ・・・買っちゃダメな奴だろ、これ。
デジタルメーターの中で最も力の入っているのはスミスの商標を買ったと思われるレプリカメーターを作っているこちらでしょう。
http://www.puca.co/index.html
このメーカーのバックグラウンドは全く判りませんがデザイン、中身共にかなり真剣にやっているのが伝わります。
後輪に付くスピードメーターギアボックスの作りの駄目さ加減や発生する抵抗、微妙に面倒なメンテナンスの事が脳裏をよぎり、一瞬買ってみるかと思いましたが通常の代替メーターの4倍の値段に尻込みをして辞めました。
あとオド、トリップ共にデジタルになっているのはどうかと。ここアナログ式になってるともっと売れるような気がしないでもない。
色々探して結局今回はスミスブラックフェイスのアナログ代替品を購入する事にしました。
グレーフェイスの方がクラシカルな雰囲気はあるのですがコマンドの年式とは微妙に外れる事とマイル表示しか無い事が選考から外れた理由です。
今回レプリカ品に交換するに当たっては折角なのでメートル表示のメーターをチョイスする事に。マイル表示でも特に問題はありませんがやはりメートル圏内ではダイレクトにメートル表示になっていた方が速度制御もよりし易いですし車検も楽です。
併せてスミスのレプリカ品にはトリップメーターが付いていますのでそれを生かす為に汎用のメーターステーも物色。
コマンド純正のスピードメーターにはトリップが付いておらず、そのメーターを保持する純正メーターホルダーはメーターをすっぽりと覆ってしまうのでレプリカ品を純正メーターホルダーに入れる為には本体横から生えたトリップのノブを切り取るかメーターホルダーの一部を切り取る必要が出てきます。
純正のホルダーを加工してレプリカのスピードメーターのトリップを生かす位ならメーターホルダー(ステー)は汎用品でヤッツケた方が労力的には勿論、見た目的にも寧ろ良いのでは?って事で汎用ステー物色しましたがメーターとステーを一度に買えるのはRGMだけだったのでおとなしくRGMに注文した次第。
こちらになります。
スピード http://www.rgmnorton.co.uk/buy/universal-black-face-speedometer-kph-4-1-ratio_2169.htm(写真と送られてくる実物はデザインが違い概ね正しいブラックフェイスメートル表示品のレプリカ品が来ました。)
タコ http://www.rgmnorton.co.uk/buy/universal-black-face-tachometer-4-1-ratio_2168.htm
取り付けステー http://www.rgmnorton.co.uk/buy/polished-caf%c3%a9-racer-instrument-bracket_2182.htm
私がメートル表示のスピードメーターをRGMで購入した時は特に注意書き等は無く何故かタコメーターの入力比率と思われる4:1とだけ書いてある始末で最悪はメートル表示用のギアボックスの追加購入も覚悟していましたが最近RGMのウェブサイトを確認するとしっかりマイル表示用のギアボックスで正しく表示されますという旨の説明書きがあります。
このあたり私が現役のバイク屋だった頃は結構混沌としていて良くメートル表示のレプリカ品に交換したらまともにスピードメーターが動かない、等の話がチョイチョイ出てきましたがこれはレプリカ品の出来が悪いのではなく入力比率が合っていないからです。
スミスのマグネティックタイプスピードメーターはマイル表示、メートル表示共に入力部が1000回転すると1マイル、1キロメートル表示が進むように作られています。
マイルとメートルはおよそ1.6倍の差があるのでその差を埋める為に後輪に付くメーターギアボックスの回転比率を変えて調整してあります。
マイル表示用は15:12、メートル表示用は2:1です。
コマンドの多くはアメリカ市場向け、つまりマイル圏内向けなので殆どのコマンドにはマイル表示用の15:12のメーターギアボックスが付いていますが此処にメートル表示のスミスメーターを付けると回転が足らずに実際に出ているであろう速度より全然遅い速度が表示される訳です。
逆にスピードメーターがマイル表示でメートル用のギアボックスが繋がっていると表示は概ね1.6倍となり、下道をダラダラ走っているだけで驚きの高速が表示されるという事態が発生します。
レプリカメーターのメートル表示品は私が現役だった頃は中身もメートル表示用そのままだったことが多く、メーターギアボックスもメートル用の2:1を用意する必要がありました。
今回取り寄せるに当たってこのメートル表示のレプリカメーターの中身もメートル用そのままだった場合、メーターのギアボックスを2:1に変える必要がありましたが入手したメーターは15:12のマイル用ギアボックスで正しくメートル表示されるものでした。
なんだかややこしいですがメーターとギアボックスのそれぞれにマイル仕様とメートル仕様があるのでどちらも同じ仕様になるように合わせる必要があるという事です。
そして取り寄せたメーターに同じくRGMで手に入れた汎用メーターステーを使って装着。
思いの他違和感はなくトリップメーターも付いて使い勝手も上がりいい感じに纏まりました。
ブラックフェイスレプリカメーター+汎用ステーを装着した図。
こちらのRGM製汎用メーターステーはカフェレーサー向けと謳われており標準状態ではBSAのロケットゴールド並みのカチ上がり具合なので標準の長さのメーターワイヤーが上手く付きません。
私のカフェ仕様コマンドにはこのやる気満々の角度がぴったりだったのですがワイヤーの取り回し上仕方無く万力で挟んで曲げ戻し、概ね水平近くまで持っていきました。
メーターとステーの接触点にはゴムを挟み一応ラバーマウントにしてあります。
しかしメートル表示のブラックフェイススピードメーターは25キロ刻みなのがアレですよね・・・・
当初はレプリカ品のテキトウ仕様なのかと思いましたが調べたらスミス純正品のブラックフェイスのメートル表示は25キロ刻みになっているようです。
どうも当時スミスの方でマイル表示用のギアボックスそのままでメートル表示をするように対応した結果こうなったようですがそれにしたって25キロ刻みってのはどうかと思われ・・。
車検の時は40キロの時にスイッチを放さなければならない訳ですが25キロ刻みだと結局マイル表示同様ある程度憶測に頼らなければならないのでその点はちょっと不便すな。