2015年 04月 05日
フルトランジスタ点火その1 |
今回は点火系です。
私のコマンドにはフルトランジスタ点火の老舗ボイヤーのフルトラキットが付いていました。
特別な理由がなければこのへんの年式の英国車でボイヤーの対応車種になってると結構な高確率でボイヤーになっています。
ポイント点火は取り付け調整が面倒な上、構造上長期使用するとガタが出ますがそうなると点火時期が不安定になります。しかし肝心の遠心ガバナー本体やポイントベース周りの新品がなかなか手に入りませんのでガタが多くなってもだましだまし使うしかありません。
だったら取り付け調整が簡単で基本的に摩耗しないフルトラにするか、とガタが多くなってなかなか安定しないポイントを泣く泣く調整するハメになる前にバイク屋がオーナーにプッシュする訳です。こっちにした方が火花も強いし絶対良いよ、とか言ってw
ボイヤーは最早40年の歴史があり信頼性は抜群・・・と言いたいところですがチョイチョイやらかす思い出があり、基本的に問題無い個体は問題ないのですが最初から火が飛ばなかったりある日突然死亡したり妙に安定しない、なんて奴がたまに出てきます。
と言っても15年くらい前の話なので最近のボイヤーの品質はどうなんでしょうか?多分あまり変わらないとは思いますが。
昔は選択肢がボイヤー位しか無かったのですが最近は色々と選択肢があるようでそんな中でもポストボイヤーの最右翼がペイゾン(http://www.pazon.com/)と巷では言われているようです。
なんでも元々ボイヤーに居たエンジニアが独立して作ったとか何とか。ボイヤーの弱点を克服してるよ、ってのが売りな様子。
私自身ボイヤーでトラブルにあった事はありませんが元々引いてあったキタナイ配線に紛れ薄汚れたボイヤーのブラックボックスを目の当たりにしていまいち使う気が起きず、更にポストボイヤーのその実力を確かめるべくペイゾンに特攻をかけてみました。
コマンド用のフルトラキットを探している中で発見しこれは凄い、と思ったのがパワーアーク社(http://www.powerarc.com/)のキット。
先ず回転の読み取り部は今までのような磁石ではなく光学式のセンサーを使っています。昔の光学式マウスに入っていたギザギザした円盤の隙間に光を当てて回転を読み取るアレですね。
光学式センサーであれば従来のような磁石を使った回転読み取りより遥かに読み取り回数が多く高精度に回転を読み取れるでしょう。
更にコイツの凄いところは点火時期やコイルチャージタイミング、レブリミット等をPCに接続して自由に設定出来、しかも火花を3回飛ばす事が出来る所。
たとえばメインの火花を上死点前35度で飛ばしそのあとサブの火花を20度、5度で飛ばす、というような事も出来るようです。
うーん、これは凄い。完全に今までのフルトラキットとは異次元のキットです。
これは燃焼室形状の良いコマンドより旧式なトライアンフに付けた方が効果がありそう。
しかし点火系への負荷が高い為か基本専用のコイルとハイテンションコードを使わないとダメらしくそのフルセットの総額は4万円程度。
あとはPCと接続し、タイミングを自由に設定する為には後付けのボードとPC接続コードセットが必要になるようで更に2万円程プラスになります。
ちょっと高いですが此処までの事が出来るのなら相対的には安いと思います。個人的にはかなり惹かれました。
ライバルに勝つために少しでも効果のあるものを、と考えてる人には良いかもしれません。
でも、マウスに入ってた光学式センサーって良く壊れたけどこれは大丈夫なのか?という耐久性への不安と考えてみたら誰とも闘ってないな俺、という事実に気付き今回はペイゾンにしてみた次第。
ここはお金が余りまくってしょうがない上、常に国産車と戦っているべっしょさんのコマンドにインストールして頂き、インプレッションして貰おうと思います。
んで次回ペイゾン取り付け編となります。
点火と言ったら主役はプラグな訳ですが当方は長らくチャンピオン製を愛用しています。
NGKのプラグの方が高品質なのは間違いないのですが何故だかチャンピオンの方が安定している事が多いです。
特にNGKのイリジウムプラグのような高級品はセッティングが問題無い筈の車両でもくしゃみが出たりしますので英国車には純正指定と同じチャンピオンの標準品を使うようにしています。と言っても純正の熱価はちょっと高いのでNGKで6番相当のN5Cを使ってますが。
当然日本では殆ど売っていないので海外から定期的に大人買いです。
このあたりの話はジンクスに近いような話ですがハーレーでも同じことを言う人がチョイチョイ居るので私の気のせいではなく何か理由があると思うのですが未だ持って完全に謎です。
by flattank
| 2015-04-05 17:44
| 電装、点火、発電系