2015年 04月 26日
フルトランジスタ点火その2 |
ペイゾンの取り付けは付属の説明書に従って正しく行ってください。
ま、こうとしか言いようが無いすな。
冗談半分はさておき、ペイゾンの取り付けはボイヤーと同じで最大進角のクランク角度である上死点前31度(純正は28度ですがボイヤーを始め殆どのフルトラキットはこの数字を指定しています。シャシーダイナモか何かで31度が最適と割り出したんでしょうか?)にクランクをセット。
ポイントと置き換わるマグネットピックアップの本体合わせ穴にマグネットローターを合わせ、ローターをネジでカムシャフトに固定すれば終了です。
取り付けは終了なのですがただ単に合わせ穴に合わせただけだと最大で10度位は適正な最大進角からずれます。
なので必ずピックアップを取り付けた後はクランクを一切動かさずにプライマリーカバーを取り付け、カバーのオルタネーター側に付いている蓋を外して角度インジケーターの31度の所にポンチやケガキを入れておき、タイミングライトで点火時期を確認し本体側を動かして最終調整を行います。
此処まで正しく取り付ければ十分と言えば十分ですが私がフルトラキットを付ける場合、必ず行う事があります。
1 フルトラキット、イグニッションコイルの点火系はその他の電装系と必ず独立させ、専用のヒューズを入れる。
コマンドの電装系は純正からかなりぐちゃぐちゃですし既に数十年経過した電装部品をそのまま使用しているケースがほとんどなので気を付けていても電装部品や配線の劣化によるショートの危険がどうしても残ります。
電装システム全体に純正のようにヒューズが一個しかなければ不意なショートでヒューズが飛び灯火は勿論点火まで止まり意図していないタイミングでエンジンが停止する可能性があります。
それを防ぐために必ずフルトラキットとイグニッションコイルは完全に個別に配線を引き直し独立したヒューズを付けます。
またコマンド純正の配線のヒューズ位置だとショートによってヒューズが飛んた場合、バッテリーは切り離されますがオルタネーターは繋がったままという無茶な仕様なので純正配線にただ単に追加しただけではショート時にブラックボックスが死亡する可能性も出てきます。
私のコマンドは配線を全て引き直しましたがリアブレーキスイッチの配線の処理が甘く、配線が排気管に接触し高速道路を走行中にショートしてヒューズが飛びました。
しかし点火系統を完全に独立させていた為、灯火が飛んだだけで済みましたが3車線の真ん中でヒューズが飛んだのでもし点火まで死んでいたら高速道路のど真ん中で立ち往生ですから場合によっては私も死んでいたかもしれません。
この処理、実は結構重要でタイミング次第ではかなり危険な事になるので純正配線ポイント点火でも本当は独立させた方が良いのですがフルトラを付けて配線作業を行う際には必ず点火系の独立化を行いましょう。
2 ブラックボックス直近にコンデンサーを入れる。
昔コンデンサーチューニングとか言って電装システムに容量の大きいコンデンサーを入れるのが流行りましたがまあザックリ言えばそれです。
コンデンサーチューニングは未だに賛否両論ですが正直電気的に安定しているとはとても思えない英国車の電装システムに付いたブラックボックス入力直前に噛ませると効果は覿面。作動がかなり安定します。
コマンドはMk1からキャパシターと呼ばれるコンデンサーがバネ状のステーに固定されていますがその場合、本来の配線は外し独立した点火系のブラックボックス直近に組みこみます。
またコンデンサーは使用した時間や経年で劣化し性能が落ちていくのでブルーの被膜が巻いてあり平端子が本体に直接付いてどっかに”LUCAS”なんて書いてあるコンデンサーが付いている場合は基本既に腐ってますのですぐさま捨てて新品にしてください。
当時物ではなくとも何時交換したのか判らないのであれば新品に交換した方が吉です。
新品はRGMを始め各パーツ屋に幾らでもありますが英国製が来るのでコンデンサーだけを購入するのならば秋葉原の電子部品屋で最高品質の日本ケミコン製耐熱高級品”KMH50V-4700μF”を購入する事をお勧めします。
近場の方は直接買いに行っても良いでしょうし遠方ならば通販も出来ます。私が秋葉でコンデンサーを買うのはこちらのお店です。
三栄電波(http://www.san-ei-denpa.com/index.html)
それとペイゾンのピックアップ部やブラックボックスの配線は通常の1.25㍉配線より一段細い配線を使用しているのでギボシをカシメる際には必ず配線を2段に折って銅線部を太くしてカシメてください。更に銅線部を半田で固定すれば完璧です。
で半田は必ず配線用のヤニ入り半田を使用する事。間違ってもヤニ無し半田をフラックスで付けない事。数年で銅の配線が腐って断線します。
カムシャフト末端にテーパー勘合されるピックアップ部の比較写真。説明不要かと思いますが左がボイヤー、右がペイゾンです。
でかい上に磁力の弱いボイヤーに対して小さく磁力の強いペイゾン。このあたりの違いが回転読み取りの精度の違いとして出てくるのではと思います。
逆に言えばそれ以外は殆ど変わらないような気が・・・
英国から取り寄せたコンデンサーと純正のバネ状ステー。
上記の日本ケミコン製のコンデンサーも同一の寸法なのでこのバネ状のステーにそのまま付きます。このへん規格で寸法が決まってるんでしょうかね?
ま、とにかくフルトラキットにはコンデンサーを直付けしませう。
by flattank
| 2015-04-26 22:27
| 電装、点火、発電系